脂肪肝外来のご案内
脂肪肝とは？
健診や人間ドックで「脂肪肝」と指摘される方は少なくありません。
脂肪肝は放置すると肝硬変や肝がんに進展する可能性がある一方、早期に生活習慣を見直すことで改善できる病気です。
最近は「お酒を飲まない」「太っていない」方にも脂肪肝が見つかることが増えており、糖尿病や脂質異常症などの生活習慣病とも深く関係しています。
なぜ脂肪肝が重要なのか
肝臓がんのリスク
脂肪肝の一部は肝炎へ進行し、肝硬変や肝臓がんを引き起こす可能性があります。
生活習慣病とのつながり
脂肪肝は「肝臓の病気」であると同時に、糖尿病・高血圧・脂質異常症・動脈硬化とも深く関わります。心筋梗塞や脳梗塞のリスクを高めることも知られています。
痩せていても起こる
日本人は欧米人に比べ「痩せ型脂肪肝」が多く、肥満がなくても発症します。食生活や体質、遺伝的背景が関与しています。
つまり脂肪肝は単なる「肝臓に脂がついただけ」の病気ではなく、全身の健康リスクのサインなのです。
当院の脂肪肝外来の特徴
1. 最新の超音波機器による肝硬度の測定が可能
当院では、通常の超音波検査に加え、**SWE（シアウェーブエラストグラフィ）**を用いて肝臓の硬さを測定することができます。
これにより、単なる脂肪肝の段階なのか、線維化（肝臓が硬くなっている状態）まで進行しているのかを確認することができます。
2. 生活習慣病の包括的チェック
血液検査で糖尿病・脂質異常症・高血圧の合併を調べ、脂肪肝の背景にある原因を明らかにします。
3. 食生活・生活習慣のサポート
「痩せているのに脂肪肝」「お酒を飲まないのに脂肪肝」という方も少なくありません。
当院では栄養・運動の具体的なアドバイスを行い、再検査で改善度を一緒に確認します。
4. 専門医との連携
高度な線維化や肝硬変が疑われる場合は、消化器専門医と連携し、肝がん検診や治療につなげます。
受診をおすすめする方
- 健診で「脂肪肝」や「肝機能異常（AST/ALT高値）」を指摘された
- 太っていないのに脂肪肝があると言われた
- 糖尿病・脂質異常症・高血圧がある
- お酒をほとんど飲まないのに肝臓が悪いと言われた
- 将来の肝硬変・肝がんが不安
最後に
脂肪肝は一見「軽い病気」と思われがちですが、放置すると肝硬変や肝がんへ進行する可能性があります。
しかし、早い段階であれば生活習慣の見直しで改善が期待できる病気でもあります。
健診で指摘を受けたら、先延ばしにせず、当院の最新機器による超音波検査とSWEでご自身の肝臓の状態をしっかり確認しましょう。
よくあるご質問（FAQ）
Q1.脂肪肝は放っておいても大丈夫ですか？
A.脂肪肝の多くは自覚症状がありませんが、放置すると肝硬変や肝臓がんに進展することがあります。早期に見つけて生活習慣を整えることが大切です。
Q2.太っていなくても脂肪肝になりますか？
A.はい、日本人は「痩せ型脂肪肝」が少なくありません。遺伝的な体質や糖質中心の食生活、糖尿病・脂質異常症などが原因で、BMIが正常でも脂肪肝になることがあります。
Q3.お酒を飲まないのに脂肪肝と言われました。なぜですか？
A.アルコール以外にも、食生活（甘い飲み物・炭水化物の過剰摂取）や生活習慣病が原因となります。薬剤やホルモンの異常が関与する場合もあります。
Q4.当院ではどんな検査ができますか？
A.通常の腹部エコーに加え、**最新の超音波機器によるSWE（シアウェーブエラストグラフィ）**で肝臓の硬さを測定します。血液検査と合わせて、肝臓の線維化リスクを早期に把握することが可能です。
Q5.脂肪肝は治りますか？
A.生活習慣の改善で肝臓の脂肪は減り、進行を防げる可能性があります。早めに対応することで肝硬変や肝がんのリスクを大きく減らせます。
Q6.どのような生活改善が必要ですか？
A.食生活では「甘い飲料や精製炭水化物を控える」「野菜やタンパク質を増やす」こと、運動では「週3回程度の有酸素運動」が推奨されます。必要に応じて当院で個別の栄養指導でアドバイスいたします。
Q7.どんな人が受診すべきですか？
A.健診で脂肪肝や肝機能異常を指摘された方、糖尿病や脂質異常症のある方、太っていないのに脂肪肝と言われた方は、一度の精査をおすすめします。
Q8.今まで健診で脂肪肝と言われても放置してきました。本当に受診が必要ですか？
A.脂肪肝の多くはすぐに症状が出ません。そのため「大したことない」と思われがちですが、気づかないうちに線維化が進み、肝硬変や肝がんへ進展することがあります。
特に最近は「痩せているのに脂肪肝」という方も増えており、生活習慣病や将来の動脈硬化リスクにも直結します。
“今まで大丈夫だったから”ではなく、“今の状態を知ること”が安心につながります。
Q9.体調に全く問題がないのに、受診する必要はありますか？
A.脂肪肝は自覚症状がほとんど出ない病気です。そのため、体調が良くても気づかないうちに進行していることがあります。
特に線維化（肝臓が硬くなること）は静かに進み、症状が出る段階ではすでに重症化していることもあります。
「症状がないから安心」ではなく、「症状がないうちに確認すること」が大切です。
