睡眠時無呼吸症候群(SAS)外来のご案内

「いびき」は病気のサインかもしれません。ぐっすり眠っているはずなのに、日中に強い眠気を感じたり、いびきが大きいと指摘されたりしていませんか?
それは「睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)」の可能性があります。

睡眠時無呼吸症候群とは?

睡眠中に何度も呼吸が止まったり浅くなったりする病気で、10秒以上の無呼吸が一晩に何十回〜何百回も繰り返されることがあります。
この繰り返しにより、体が十分な休息をとれず、以下のような不調を引き起こします。

主な症状

  • 大きないびき、呼吸が止まる
  • 夜間の頻繁な中途覚醒、トイレに起きる
  • 起床時の頭痛、口の渇き
  • 日中の強い眠気や倦怠感
  • 集中力の低下、仕事・学業のパフォーマンス低下
  • 性格変化(イライラ、抑うつなど)

※自覚がない場合も多く、ご家族やパートナーの指摘で気づくこともあります。

放置するとどうなる?

SASを放置すると、高血圧・糖尿病・心筋梗塞・脳卒中・不整脈など、命に関わる重大な合併症を引き起こすことがあります。
また、交通事故のリスクも高まるため、早期診断と治療が非常に重要です。

当院での診療の流れ

①問診・診察

いびきや日中の眠気の有無、生活習慣、既往歴などを確認します。

②検査(自宅での睡眠検査)

ご自宅で簡単に装着できる検査機器を使い、一晩の睡眠中の呼吸の状態を測定します。
検査結果は後日、医師よりご説明します。
  • 簡易検査機器
  • 在宅精密検査のイメージ
入院での検査 比較項目 ご自宅での検査(当院おすすめ)
1~2ヶ月先 検査までの期間 患者様のご都合で検査日時設定
約3~50,000円 費用
(保険3割)
3,000~10,000円
精密(PSG)検査対応の施設
※病院やクリニック等慣れないベッド・環境で検査
検査場所 患者様のご自宅
※慣れている環境で検査
・平日の検査が多い為仕事の調整が必要
・多数のセンサーやコードを装着する必要有
その他 ・いつでもできるため仕事の調整が不要
・簡単なベルトとセンサーをつけるだけ
検査でわかること
・睡眠呼吸障害・過眠症・概日リズム睡眠障害・睡眠時随伴症 診断できる疾患 睡眠呼吸障害
脳波・眼球運動・節電図 睡眠・覚醒・睡眠深度 脳波・眼球運動・節電図
無呼吸・低呼吸の評価・胸部及び腹部の喚気運動・食道内圧 呼吸状態 無呼吸・低呼吸の評価・胸部及び腹部の喚気運動
SpO2値の変化 動脈血酸素飽和度 SpO2値の変化
EtCO2 呼気終末炭酸ガス
不整脈や心拍数変化、血圧変動 循環機能
いびき・CPAP圧・四肢の動き・体位・体動 その他 いびき・体位・体動 

③治療方針の決定

重症度や生活背景に応じて、以下の治療を提案いたします。

主な治療法

CPAP療法(持続陽圧呼吸療法)

就寝中にマスクを装着し、空気を送り込んで無呼吸を防ぐ標準的な治療です(保険適用)。

マウスピース治療

軽症の方やCPAPが合わない方に適応。歯科との連携が必要です。

生活習慣の改善

減量、飲酒の制限、睡眠姿勢の工夫など、日常生活の見直しも重要です。

外科的治療

扁桃肥大・鼻中隔弯曲症などが原因の場合、耳鼻科的処置が検討されます。

よくあるご質問(FAQ)

Q. いびきがあるだけで、検査を受けるべき?

A. 大きないびきがある方、日中に眠気が強い方、家族に呼吸停止を指摘された方は一度ご相談ください。

Q. CPAPは一生使うの?

A. 減量や生活改善により、使用が不要になるケースもあります。ただし、重症の場合は継続が推奨されます。