EBMとは
~科学的根拠に基づいた医療について~

医療の世界では、「EBM(Evidence-Based Medicine)」という言葉がよく使われます。これは「科学的根拠に基づいた医療」を意味し、医師の経験や勘だけに頼らず、医学的な研究データや臨床試験の結果など、信頼できる根拠に基づいて診療を行う考え方です。3つの要素のバランスが大切です。EBMは、単に「データ通りに診療すること」ではありません。以下の3つの要素をバランスよく考慮することが基本とされています。

この3つを組み合わせることで、最も適切な医療を提供できると考えられています。

当院の取り組み

当院では、循環器疾患・呼吸器疾患・糖尿病・睡眠医療などの診療において、常に最新のガイドラインやエビデンスを確認しながら、診療を行っています。一方で、数字やデータだけに頼るのではなく、患者さまの生活背景やご希望にもしっかり耳を傾けた「オーダーメイドの医療」を心がけています。安心して診療を受けていただけるよう、わかりやすい説明と丁寧な対応を大切にしています。

科学的根拠のない自費診療を行う医療機関にはご注意ください!

現在、一部の医療機関では、科学的根拠が乏しいとされる治療法(例:プラセンタ注射やいわゆる「にんにく注射」など)が、疲労回復・体調改善といった目的で提供されています。しかし、これらの治療法の多くは十分な臨床試験による有効性や安全性が確認されていないのが現状です。当院では、自由診療においても「医学的な妥当性と患者さまへの説明責任」を重視し、「効果が科学的に検証された治療」「実際に患者さまの利益につながると判断される選択肢」のみを提案いたします。一時的な流行や印象的な広告に惑わされず、本当に信頼できる医療を選んでいただけるよう、私たちはエビデンスに基づいた情報提供と誠実な対話を心がけてまいります。

よくあるご質問(FAQ)

Q. 「エビデンスがある治療」とは具体的にどういうことですか?

A. 大規模な臨床研究や信頼性の高い医学論文で効果が確認された治療のことです。
例えば「高血圧にはこの薬が有効」といった情報が、多くの研究で示されている場合、それは“エビデンスがある”治療とされます。

Q. エビデンスがある治療を必ず受けなければいけませんか?

A. いいえ。EBMでは、医学的な根拠だけでなく、患者さまのご希望や生活スタイルも重視します。
エビデンスがある治療を提案したうえで、ご本人の希望に応じて最適な方法を一緒に検討します。

Q. 自費診療でもEBMは関係あるのですか?

A. はい。当院では、自費診療であっても科学的根拠を重視しています。
不確かな効果しかない治療をおすすめすることはありません。安心してご相談ください。